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TOTの時代
2000年代初頭に停滞期を迎えていたTOFは2007年からTOTとして再出発。TOF時代に劣らず、今や参戦台数250台、観客数5,000人をコンスタントに集める大イベントに成長した。初期から現在もなお活躍する車両たちも数多く残る。
社外パーツの拡充がレーサーに進化を促す
2007年にTOTへと生まれ変わってすでに10数年。この10年以上で一番の変化はパーツチョイスの選択肢が格段に増えたことだろう。各パーツメーカーから新製品が販売され続けているし、純正流用の足まわりは社外製中心となり、ホイールも高価だったマグネシウム鍛造品が身近になった。カーボンホイールだって購入可能だ。ワンオフも工作技術の進歩と普及もあり、個人でも可能な作業が増えている。そのおかげもあってコースタイムは年々短縮されており、昔の全日本選手権並みのタイムが一般的にすらなってきた。
とはいえ、何か各チームとも特殊なことをやっているのかというと、そうとも限らない。細部を見ても意外とストリートバイクと大差ないマシンが多いことに今さらながら驚く人も多いだろう。確かに知名度の高まりとともに敷居が高くなった面は否めないが、街中を走る延長線上のカスタムで昔の全日本選手権並みの速さが手に入るとは、夢がある話ではないだろうか?
TOT参戦マシン
ストライカー ゼファー1100
オリジナルフレームの登場
TOTになって参戦車両の一番大きな変化はオリジナルフレーム化だ。2006年のTOF最終年に登場したディールZを発端とし、2007年のTOTでは新たにスーパーモンスターエボリューションが新設。フレームを作るという大難事のため参戦車両は決して多くはないが、空冷エンジン以外の制約がないハイエンドクラスには熱い注目が注がれている。
ラッシュディール
ブルーサンダース
片倉オート商会
サンクチュアリー本店
高年式ネイキッドの参戦も増加中
70〜80年代に製作された鉄フレーム車のレースとしてスタートしたものの、現在から考えると最古参であるZ1は50年近くも前のマシンだ。そこで近年は高年式車や、場合によっては現行車にも門戸を開いている。そのため一般ユーザーにとって非常になじみ深いマシンがTOTを戦っているのを見ることができるのだ。それらの一例をここでは紹介する。