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メーカーの理念と美学が詰まった、逸品モノを紹介

HYPERPRO DP-S

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ハイパープロからストリート走行に特化したツインショック、DP-S(ダブル・ピストン・システム)が登場した。このリヤショックの性能をZRX1200ダエグで試した。インプレッションライダーは、ハイパープロを含む主要サスペンションの正規取扱店Gトライブ代表の戸田 隆氏だ。

ストリート最強をねらうツインショック

HYPERPRO DP-S インプレッション

「ハイパープロのDP-Sは、これまでのリヤショックと比べ、その動きは明らかにスムーズです。とくにサスペンションが伸びきった状態から動き出す際は、その動きがすごくわかりやすい。寝かしこむ際はバネの柔らかさによってスムーズに沈んでいくけれど、どこかで極端にコシが出るようなことはなく、まるでリンク式サスペンションのバイクに乗っているかのような錯覚を受けます。上りや下りのコーナーでも、常にリヤがしっかり接地しているという印象です。ライダーに接地感が伝わりやすく、その結果安心感も高くなる。そのため、よりアクセルを開けてしまいます。そうするとリヤタイヤの空気圧が上昇し、リヤが滑るようなこともあったほどです。接地感が高いため、コーナーの切り返しが若干粘りがあるイメージで、シャキっとした感じはありません。粘りとシャキっとした感じの中間の特性を目指しがちですが、DP-Sは粘っこさ、つまり接地感、安心感を重視した特性となっています。ツインショックのバイクの場合、サーキットをガンガン攻めるという人は少数で、ツーリングやワインディングを楽しむ人が圧倒的に多いですよね。したがって、DP-Sが安心感、接地感を重視するという選択は正解ですね」

HYPERPRO DP-S インプレッション

セッティングも容易なDP-S

「今回のインプレションは、カスタムマシンで実施したので、良好なポイントが明確です。ではノーマルベースにリヤショックだけをDP-Sに交換した場合はどうかというと、実際には乗っていないので明確には言えませんが、この特性であれば、その仕様でも安心感は高いでしょうね。

この特性の大きな要素のひとつはやはりコンスタントライジングレートスプリングです。コイルのバランスがいいので、反発力がリニアに上がりよく出来たリンク式サスペンションという印象を与えています。減衰に関してもDP-Sのボディを見る限り、部品はすべて既存モデルから変わっているということがわかります。圧側のダンパーが最適化できる独自の構造なのがポイントです。オリフィスを通るオイルとシムを押しのけるオイルの減衰力を細かく設定することができる構造なので、セッティングもしやすいんです。

また、従来の多くのモデルは、圧側と伸び側が完全に独立していないので互いの減衰に影響が出てしまい、セッティングに慣れが必要でしたが、DP-Sは伸び側にワンウェイバルブを入れ、それぞれの減衰を独立させています。その結果セッティングが容易になっただけでなく、フィーリング、路面の追従性向上にもつながっていると思います」(戸田隆)

HYPERPRO DP-S

独自の構造でトラクション性能を追求

HYPERPRO DP-S

メインとサブの2つのピストンを持つDP-S。メインは伸び、縮みに対応し、サブは縮みに対する。また、伸び側の減衰にワンウェイバルブを採用し、メリハリ感、セッティングの容易さといったメリットがもたらされた。また、ボディをアルミとすることで軽量化をも実現している。「従来の製品はオールラウンダー的な性格、とくにツーリングに向けたサスペンションでしたが、さらに広い範囲をカバーする最高のスペックを目指しました。正と負の圧力バランスを重視してピストンを2つとし、あらゆるテストを繰り返して最良のバランスで仕上げています」(ハイパープロ開発担当・宇田知憲氏)

ACTIVE ZRX1200DAEG

アクティブの技術が結集した夢のカスタム

ACTIVE ZRX1200DAEG

カワサキネイキッドを代表するZRX1200ダエグ。アクティブがカスタムしたZRX1200ダエグは、アクティブ製パーツを中心に構成し、走行性能に特化してカスタムされている。前後サスペンションはハイパープロを投入し、ホイールはゲイルスピードのハイエンドモデル、タイプGP-1Sを採用している。ブレーキもやはりゲイルスピードで構成されるが、なかでも注目は、テスト中というフロントのブレーキキャリパーだろう。スイングアームは剛性バランスを追求したプレスフォーミングタイプを採用。フレームスタビライザーやカウルのフレームマウント化など、考えうる限りのカスタムが加えられている。

ACTIVE ZRX1200DAEG
ACTIVE ZRX1200DAEG
ACTIVE ZRX1200DAEG
ACTIVE ZRX1200DAEG
ACTIVE ZRX1200DAEG

スペック一覧

エンジン総排気量 1,164cm3
エキゾーストシステム ワイバン
ハンドル アクティブ
ステップ アクティブ
ホイール (F)ゲイルスピード タイプGP1S 3.50-17
(R)ゲイルスピード タイプGP1S 6.00-17
タイヤ (F)ブリヂストン S22 120/70-17
(F)ブリヂストン S22 190/55-17
Fブレーキ キャリパー:ゲイルスピード 4ポット
ローター:ゲイルスピード
マスター:ゲイルスピード ラジアルポンプ
Rブレーキ キャリパー:ゲイルスピード 2ポット
Fフォーク ハイパープロ
ブラケット アクティブ
Rショック ハイパープロ
スイングアーム アクティブ
戸田 隆
インプレッションライダー
戸田 隆

全日本ロードレース選手権や鈴鹿8耐などに参戦した経験をもとに、車体セッティングを主軸としたメンテナンスショップGトライブを立ち上げる。サスペンションやタイヤの開発テストに携わった経験を持ち、車体に関する造詣は深い。

問い合わせアクティブ
電話番号0561-72-7011
Webサイトhttp://www.acv.co.jp/


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