ブレンボは中国企業との合弁会社を設立してアフターマーケット向けブレーキパッドの大規模工場を設立。バイク用は未定

2022年7月25日、ブレンボと中国のブレーキパッド/ディスクローターメーカーであるゴールド・フェニックス（金麒麟）は、両社の出資比率50：50の新会社を設立する合弁契約（現地法および独占禁止法の適用対象）を締結し、新会社Shandong BRGP Friction Technology Co., Ltdを設立したと発表した。これによりブレンボ初となるアフターマーケット向けブレーキパッド専用の大規模生産施設が誕生することになった。

新会社では、ブレーキシステムにおけるブレンボの優位性とフリクションソリューションにおけるゴールド・フェニックスの先進性を融合し、すぐれた製品品質とイノベーション、とくに性能・快適性・耐久性・サステナビリティに重点的に取り組むとのこと。また、自動車の電動化と自動運転の課題に対し、他に先駆けて対応することを目指しているという。

新会社で取り扱うセグメントは乗用車、小型商用車、大型トラックが挙げられている。このことからも設立当初にはバイク用ブレーキパッドのラインナップは存在しないようだが、成長市場で生まれる新たな機会を活用するとのことなので、近い将来にはバイク用ブレーキパッドがラインナップに加わる可能性は高いだろう。

ブレンボでアフターマーケットを担当するロベルト・カラバティ最高執行責任者は今回の合弁会社設立に関して次のように述べている。

「当社は先進的ブレーキ摩擦製品のリーディングカンパニーであるゴールド・フェニックスとの戦略的かつ長期的なパートナーシップを締結しました。これにより、当社のソリューションの垂直統合をさらに進めます。

今回の合弁でブレンボは、アフターマーケット・セグメントでより強固な地位を確立します。そして、ブレーキパッドをより効果的に開発することで、また、ソリューションプロバイダーになるという当社のミッションに従って、新たなビジネスチャンスを捉えます。こうした取り組みはすべて、当社のバリューチェーンにおける各パートナー、そして最高の品質と性能を求めて当社の製品を選んでくださるクルマ好きの皆さまにメリットを提供することを目指したものです」

また、ゴールド・フェニックスの孙鹏CEOは次のように述べている。

「ブレーキシステムにおいて傑出した経験を有するグローバル企業であるブレンボとのパートナーシップ締結を、大変うれしく思います。業界と技術に関する両社の専門知識を合わせ、発展・永続する事業の構築にともに取り組みます。新会社では専門化した施設とチームで、市場をリードするソリューションをお客さまにお届けすることを目標とし、製品のイノベーションに注力していきます」

Shandong BRGP Friction Technology Co., Ltdは、2023年初めに中国東部、山東省の省都である済南市で事業を開始する予定だ。ブレンボとゴールド・フェニックスは、同社に今後3年間で合計約3,500万ユーロ（約48億円）の投資を行なうことを予定している。