キャビテーションを抑制して吐出量と圧を向上
空冷マシンの冷却効果を高めるうえで、オイルクーラー装着は定番だ。しかし空冷Z系の純正ギヤ式オイルポンプは高回転時にキャビテーションを起こして吐出量が低下するといった問題もあるという。その対策品としてサンクチュアリー本店を運営するノーブレストから、トロコイド式オイルポンプが発売中だ。
サンクチュアリー本店の説明によると、空冷Z系純正のギヤ式オイルポンプはその構造上、キャビテーションの発生によりギヤ軸部に徐々にダメージが蓄積していき、油圧と吐出量が低下していきやすいとのこと。そのため高年式車用に用意された大容量オイルクーラーを採用しても、ただ内部に滞留するだけで循環しないから冷却強化に結び付きにくいとされている。
そこで採用されたのが、現代の4サイクルエンジンに採用されているオイルポンプと同じ方式の、内接ローターを採用するトロコイド式。純正オイルポンプは外接式なので圧力が上がりにくく、回転数が上昇すると流体蒸気が充満してエアを噛み込み、キャビテーションによって吐出量が低下する傾向が強いという。トロコイド式はキャビテーションが起こりにくく、また内接式なので軸受け荷重も少なくなることからポンプ自体の耐久性も高くなるといった利点があるとのこと。
ちなみに本製品は過去、YRPレーシングが販売していたモノに改良を加えているモノとなるが、YRPレーシングの使用許可を経て同社で現在、販売する形となっている。
実際に装着したユーザーからは油温低下が確認できたといった声が多く寄せられている他、サンクチュアリー本店がテイスト・オブ・ツクバに参戦するZレーサー3号機にも現在採用中。Zレーサー3号機がタイムを更新する中でも油温を下げることができた、と中村博行代表はその効果を説明している。
サンクチュアリーメカニックブランド ハイプレッシャーオイルポンプKIT
価格:7万4,800円(税込み)