［東京モーターショー2019］近々実現!ではないけれど近未来の姿を予感させる新機軸タイヤとライティング

東京モーターショーには市販予定のモノからまだまだ概念的な先進技術の見本まで、見られるモノが数多い。こんなアイデアが未来にはどうなっているのだろう…。そんな夢を感じる展示物をここではまとめて紹介したい。

次世代”盆栽”カスタムとは文字どおりの意味に!? グッドイヤーのエコタイヤ

GOODYEAR OXYGEN

バイク用タイヤはひとつも見かけなかった東京モーターショーだが、そのなかで“何だこれ!?”と担当者が喰い付いたのが日本グッドイヤーの次世代タイヤ・オキシジェン。サイドウォールをよく見てほしいが、緑色の部分は何と苔!　苔を自生させることで光合成による酸素放出を図り、環境にやさしいタイヤを目指しているという。タイヤのトレッドパターンも特徴的だが、路面の水滴や水分を循環させるためだという。なぜ苔なのかまでは質問しなかったが、回転するタイヤにも定着しやすいのがその理由だろう。

植物をタイヤに自生させる、なんてアイデア自体なかったが、そのうち愛車でまさに盆栽を始めることができるかも。そうなれば、いわゆる盆栽カスタムという言葉の定義自体が変わってくるかもしれない。ただ、高回転するタイヤに自生・定着できる植物がどれだけあるのかは定かではないが…。

展示場所

南展示棟4階　南4ホール　S3301

エアロ効果で燃費向上! 横浜ゴムのフィン付きタイヤ

YOKOHAMA RUBBER OUTSIDE FIN TIRE

東京モーターショー2015で担当者も喰い付いたのが、サイドウォール付近にフィンを設けた横浜ゴムの新型タイヤ。これは四輪だとフェンダー内部の空気抵抗が大きいことがすでに判明していて、その空気抵抗を低減させつつ、車体サイド側の空気抵抗とリフトを低減させるために開発されたというモノ。それから4年が経過した今、さらに進化して2019年にも登場したのだ。

2015年仕様と比べると、フィン自体が大型化しているのがわかる。これは製法や研究結果によって大型化が可能になり、より効果的な形状を追求した結果とのこと。その空気抵抗低減により大幅ではないものの燃費の向上が見込めるという。

ちなみにフェンダー内部の空気抵抗低減が主目的となっているため、フェンダーからタイヤが大きく露出しているバイクでは効果があまり見込めないとのことで、しかも同社がバイク用タイヤから撤退して久しい。なのでバイク用タイヤとして実証試験するのは難しいとは思われるが、タイヤの空気抵抗低減という観点からすると、同社の研究成果には期待したいものだ。

展示場所

南展示棟4階　南4ホール　S4304

インフラとも連携して光を発し、安全を確保する小糸製作所の次世代灯火類

KOITO Smart Moto Lights

ヘッドライトバルブやLEDバルブなど灯火類を多数手がける小糸製作所のブースにあったのが、先進的なスタイルをしたスマートなバイクの半身。より正確には前半分なわけだが、これは何かというと、同社が想定するインフラ連携型のバイクの未来図。

より安全性を高めるため、LEDヘッドライトやバイク側面に大きく配置したウインカー、スクリーン部分には(電気バイクであることを前提としているのか)充電残量などを表示するなど、ライダーの安全や視認性向上を図っているのだが、より特徴的なのがセンサーによる判断をバイク側が行ないつつ、インフラに設置されるであろうセンサー類とも連携して安全を確保する、という発想。

たとえば地面へのプロジェクター機能。これもただ単に走行中や停止中に単色を点灯させるのではなく、周囲のインフラに配置されたセンサー類から他車の接近を感知して点灯し、安全を確保するというモノなのだ。交差点などではウインカーとも連動し、路面をオレンジで点滅させることで、夜間走行時の安全性を高めることも想定しているとか。

どれほどの時間がかかるかは不明だが、いつの日か必ず訪れるであろう内燃機の全廃と電気バイクへの移行。そんな環境で安全が確保するための手段とは、こういった形になっているのかもしれない。個人的にはチューブのなかを浮遊する乗り物が主流になっている世界、てのにも期待したいけれども。

展示場所

西展示棟4階　西4ホール　W4102