東京モーターショー2019の展示品のなかから、カスタムピープルとして気になるものをピックアップして紹介する。
OHLINS For COMPETITION
世界最高峰のショックアブソーバ、オーリンズ。レース界を筆頭にストリートでの採用率も非常に高い世界有数のブランドでもあるが、東京モーターショーのオーリンズレーシングABのブース(運営カロッツェリアジャパン)には各種製品のほか、MotoGPマシンで採用されている実物が展示されていた。
とくに注目はフロントフォークだ。パッと見てアウターの色が黒いことに気付くだろうが、これはアウターがカーボン製になっているため。金色の部分があるので部分的にカーボンが使われているのかと思いきや、アッパー/アンダーブラケットでクランプするための金色の金属部分はあとからカーボン本体の上に圧入しているとのこと。ではトップはというと、カーボンにネジの溝を掘り込んで固定しているという。
ボトム部分もスペシャル。一般的なボトム部分はボトムがメス、インナーチューブがオスになってボトムにインナーチューブを差し込む形になるが、こちらは逆にインナーチューブにボトムを差し込む形になっている。
カーボンを採用したのは軽量化が目的では、と思われるが、軽量化をはたしつつ300km/hオーバーからのフルブレーキングに対応するための剛性は当然ながら備えている。なお、逆に言えば、MotoGPマシンで240〜300km/hを常用するのでもなければ真価を発揮させることすら困難な、まさにハイエンドパーツともいえる。
価格もどのチームが採用したモノなのかも非公開だが、全日本ロードレース参戦マシンなどが採用するFGR300で100万円オーバー。それを考えると300万円と言われればそうかなとも思えるし、500万円と言われても納得できそうな気もする。いや、MotoGPマシンは1台1億円だとかいわれる世界。おそらくもっと高額に違いない…。
展示場所
西展示棟4階 西3ホール W3105