プロフェッショナルカスタムマシン

プロの製作したカスタムマシンは、市販化されたパーツをただ取り付けるだけではない。取り付けたパーツの性能をフルに発揮できるようにセッティングしたり、細かいフィッティングにもこだわっていて、それがひいてはマシンとしての完成度の高さに結び付いているのだ。その実例をここでは紹介する。

BMW
R80 by クシタニ × 46ワークス

ウエアメーカーとビルダーのコラボ

KU46_BMW_R80

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コンセプトは『所有欲と走る喜びを両立した大人のロードスター』

カスタムバイクとモーターサイクルファッションのコラボレーション。 46ワークスで製作した1986年モデルのBMW・R80をベースとしたこのカスタムは、代表の中嶋さんがクシタニのジャケットやパーカーなどのイラスト作成やデザインの監修をしたところからプロジェクトが始まった。

コンセプトは、一般公道からサーキットでのスポーツ走行までストレスなく高いレベルで乗ることができる大人のロードスター。もちろんパフォーマンスだけでなく、46ワークスらしい質感が高く細部までこだわりを持って仕上げた所有欲を満たす造形もあわせ持つ。

存在感のあるボクサーエンジンが目立つよう、車体をできるだけスリムにデザインしている。ガソリンタンクやシートカウルなど、ほとんどのパーツはワンオフ。ブルーグレーのペイントは、中嶋さんが愛用しているクシタニのレーシングスーツと同じ色だ。フロントフォークはセリアーニのレプリカを採用。純正ホイールと合わせるための加工や、自由長を伸ばすためのアダプターを追加している。

リヤショックにはオーリンズを装着。純正よりアップグレードしたサスペンションで、乗り心地のよさとスポーツ走行も楽しめる性能を獲得した。フレームはストックを使用しているが、シートレールは新たに製作されている。

エンジンとギヤボックスは、オーバーホールしてリペイントを実施。エンジンは排気量アップなどのチューニングはされていないが、キャブレターをFCRとワンオフ製作された排気効率のいいエキゾーストシステムに交換することでレスポンスとパワーを両立。充電系やスターターを含む電装部品は現代のパーツに交換され、普段使いのできる信頼性を得ている。

中嶋さん自ら筑波サーキットでシェイクダウンし、キャブレターとサスペンションのセッテイングをしたことで、軽快でクイックなハンドリングと扱いやすくトルクフルなエンジン特性、それに快適な乗り心地を獲得したという。塗装や構成するパーツが派手すぎず車体全体が落ち着いた雰囲気に仕上がっているが、走らせれば想像以上のパフォーマンスを発揮する。

『所有欲と走る喜びを両立した大人のロードスター』と語る中嶋さん。46ワークスならではの上質なマシンに仕上がっている。

カスタムポイント

まず車体全体を横から見たイラストを作成。そしてそれを元に各部品を製作、組み上げていくのが中嶋さんの作業の流れだ。細かな部分にこだわったガソリンタンクはワンオフ品。一度完成したモノをフレームに載せてみたが納得がいかず、分解して板金している。エッジや角度を修正し、再度溶接して完成した。塗装してしまうとあたり前のように見える造形だが、複雑な作業がほどこされている


カスタムパーツギャラリー




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