このたびタバックスエンジニアリング・田端 賢代表が逝去されたとの報が入りました。謹んでご冥福をお祈りするとともに、過去掲載記事を紹介いたします。
マシンを手がけたのは、テールカウルからマフラーエンドがのぞく“上方排気”を製作し、我々のド肝を抜いたタバックスエンジニアリング。一見するとオーソドックスなスタイリングで、上方排気ほどのインパクトは感じられないかもしれない。しかし、その車体はノーマルより7度傾いたテールアップデザインになっており、スイングアームからタンクや外装類に至るまで、すべてアルミのワンオフアイテムで固められている。
車体パーツといっても、その役割や大きさ、必要とされる剛性や装着する場所などもさまざま。そこで、使用するアルミもスイングアームには7N01材、ナンバーステーなどの小物は5083材、エンジンマウントのハンガーは17S材…、という具合に使い分けられている。一方、曲面の立体感を表現したり絶対的な強度を必要とする場合は非常に柔らかい生のアルミを用いるが、それは手で叩いて形を整えるうちに鍛造的な強度が備わるという特性を利用している。
構想から完成までに3年もの歳月を費やしながら、作業内容が車体姿勢の変更と手叩きによるパーツの製作だけ、というわけではない。「ステーの仕上がりが車体の完成度を左右する」という田端氏だけあって、ウインカーやヘッドライト、マフラー、オイルクーラーなど、ノーマルステーはいっさい見当たらない。フェンダーの裏側やカバーの内側など、ほとんど見えない部分まで徹底的に作り込まれており、それはまさに芸術品と呼ぶに相応しいでき映えだ。
カスタムポイント
カスタムパーツギャラリー
「Z1 by タバックスエンジニアリング」の主なカスタム内容
エンジン総排気量 | 1.015㏄ |
---|---|
ピストン | ワイセコφ70㎜ |
キャブレター | ミクニTMRφ36㎜ |
エキゾーストシステム | タバックスエンジニアリング ワンオフ |
電装系 | ゼスト |
オイルクーラー | アールズ |
ホイール | (F)ダイマグ 3.00-18 (R)ダイマグ 5.00-18 |
Fブレーキ | キャリパー:ニッシン4ポット ローター:Z1R |
Rブレーキ | キャリパー:VF1000R ローター:VF1000R |
Fフォーク | ショーワ |
ブラケット | タバックスエンジニアリング ワンオフ |
Rショック | オーリンズ |
スイングアーム | タバックスエンジニアリング ワンオフ |
ハンドルバー | タバックスエンジニアリング ワンオフ |
ステップ | タバックスエンジニアリング ワンオフ |
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