初めてだからこそニンジャの魅力である、乗りやすさを感じてもらえる仕様を重視
今回紹介するGPZ900Rは基本的にノーマルライクであることをベースとして、足まわりのグレードアップを重点的に作り込み、乗りやすさを最優先させた仕様となっている。
GPZ900Rとはかつてカワサキが世界最速マシンをねらい、生み出したフラッグシップモデル。時代が下るとともに世界最速ではなくビッグバイクカテゴリーにおけるスタンダードモデルという位置付けとなり、ビッグバイク入門モデルともされていたが、もともとの乗りやすさがあってこその立ち位置だ。この乗りやすさは同社代表の田子敏幸氏も高く評価しているところであり、その乗りやすさをそのままに、各部をグレードアップさせることで安心感を高めることを提唱している。
じつはこのマシンのオーナーは現在62歳で、それも水冷車が初めてなのだという。そこで何から何まで最初から作り変えてしまうのではなく、まずGPZ900Rというマシンの素性を知ってもらいたいと田子氏は考えたとのこと。そこで重視したのは純正ライクであることだった。
「見た目もさることながら、GPZ900R純正はどんなエンジンフィーリングで、どんな旋回性能なのかを知っていただき、さらにそこからよさを引き出すことを主眼としました。純正のままでは少し危ない、あるいは安心して走り込めない部分となる足まわりに関してはグレードアップさせつつも、純正のフィーリングを極力変更せず楽しめることを目指しています」
カスタムのねらいをこう解説する田子代表。そこでエンジンやキャブレターは調子のよい純正を入手し、採用。吸排気はというと吸気側はDNA製エアフィルター、排気側にはノジマエンジニアリング製マフラーを採用し、パワーアップさせつつも扱いやすい特性をねらっている。
足まわりはというとフロントフォークはインナーチューブに摺動性を高めるチタンコーティングをほどこし、フォークスプリングをハイパープロに変更。リヤショックもハイパープロに変更することでストリートからワインディングまで多様なシチュエーションへの適合力を高めた。ゲイルスピード・タイプNホイールでバネ下重量を低減させ、切り返しの軽さも追求する。
さらに操作性向上のためブレーキとクラッチのマスター類はゲイルスピード製に変更。レバーレシオなども考慮し、軽く操作できる設定とした。
また外装はアラタカデザインによりGPZ750R(G1)カラーとしているが、これは言うまでもなく映画『トップガン』、そして2021年春に公開予定となった『トップガン マーべリック』に登場する主人公・マーべリックの愛車を意識したモノ。ちなみにヘルメットもマーベリック仕様なのだとか。
観て楽しく、乗って楽しいカスタムマシン。それでいて純正から大きく逸脱せず、当時のよさをそのまま引き出す。さらに各部にはグレードアップする余地を残し、カスタムの楽しさを今後も追求できる。これこそがブルドッカータゴスが多くの、そして長い付き合いとなるユーザーに支持される理由でもあるのだ。
カスタムポイント
カスタムパーツギャラリー
「GPZ900R by ブルドッカータゴス」の主なカスタム内容
エンジン総排気量 | 908㏄ |
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エアクリーナー | DNA |
エキゾーストシステム | ノジマエンジニアリング |
ホイール | (F)ゲイルスピード タイプN 3.50-17 (R)ゲイルスピード タイプN 5.50-17 |
タイヤ | (F)ピレリ エンジェルGTⅡ 120/70-17 (R)ピレリ エンジェルGTⅡ 180/55-17 |
Fブレーキ | キャリパー:ブレンボ4ポット ローター:サンスター×ブルドッカータゴス マスター:ゲイルスピード ラジアルポンプ |
Rブレーキ | キャリパー:ブレンボ2ポット ローター:サンスター |
Fフォーク | スプリング:ハイパープロ |
ブラケット | ブルドッカータゴス |
Rショック | ハイパープロ |
ペイント | アラタカデザイン |
ハンドルバー | ファナティック |
クラッチ | マスター:ゲイルスピード ラジアルポンプ |
チェーン | RK520 |
スプロケット | サンスター |