このZ1Rのオーナーはこの車両に15年以上乗り続けているベテランだ。乗り続けてきた過程では、各カスタムショップに出入りし、仕様変更を繰り返してきたとのこと。
パワービルダーが手がけるキッカケはエンジンだった。その段階で相応にチューニングされたエンジンだったそうだが、同社にリファインを依頼。そこで8年前、現在の仕様へと進化させた。コスワースピストン採用により1,166㏄化、APEカムシャフト、ツインプラグ化、クランク芯出し&曲がり修正などを実施し、オーナーも非常に満足する仕上がりとなっている。ちなみに8年前に現在の仕様になり、その8年間で相当に距離も走っているが、ノンオーバーホール状態でも軽々とパワーリフトできる、パワフルな状態を維持しているとのこと。
足まわりはオーナーが時代とともに各カスタムショップを巡って仕様変更を繰り返してきたが、現在はパワービルダーに一任。ただしオーナーの意向もあってYSSの前後ショックアブソーバという、同社ではめずらしい構成だ。ちなみに同社が参戦し続けているテイスト・オブ・ツクバでは、モンスタークラスを中心としてYSS製リヤショックを使用しているが、YSSのフロントフォークは同社でも初めての取り扱い。これはオーナーの希望もあったが、同社としても初めての取り扱いを楽しみにしていたと同社・針替伸明代表は語る。
「以前からYSS製フロントフォークには興味があったパーツなので、オーナーの希望もあって導入を決めた際には、新しいモノに触れることへの期待感もありました。各種セッティングをオーナーに合わせる過程で、当社としてもさまざまなデータを収集できることができましたし、ノウハウはオーナーのみならず、さまざまなユーザーにもフィードバックしていければと考えています」
オーナーがYSSを選んだ当初の理由は、カラーリングを含めて見た目の変化を望んだ部分も多分にあるようなのだが、もちろん見た目だけのカスタムをパワービルダーが行なうはずもない。またオーナーが各カスタムショップを転々としてきたのは、もともと走行性能に対して高い理想があったから。そのオーナーの高い理想を具現化することを重視し、同社のノウハウがあますことなく注ぎ込まれているのだ。
カスタムポイント
カスタムパーツギャラリー
「Z1R by パワービルダー」の主なカスタム内容
エンジン総排気量 | 1,166㎤ |
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ピストン | コスワースφ75㎜ |
カムシャフト | APE 435 |
キャブレター | ケーヒンFCRφ37㎜ |
エキゾーストシステム | パワービルダー |
電装系 | ASウオタニ SPⅡ |
オイルクーラー | アールズ |
タイヤ | (F)メッツラー レーステックRR 110/80-18 (R)メッツラー レーステックRR 160/60-18 |
ホイール | (F)JBパワー マグ鍛JB3 3.00-18 (R)JBパワー マグ鍛JB3 4.50-18 |
Fブレーキ | キャリパー:ニッシン ラジアル4ポット ローター:サンスター マスター:ブレンボ ラジアルポンプ |
Rブレーキ | キャリパー:ニッシン2ポット ローター:サンスター |
Fフォーク | YSS |
ブラケット | スカルプチャー |
Rショック | YSS |
メーター | タコ:ウルトラ |
クラッチ | マスター:ブレンボ ラジアルポンプ |
ステップ | モリワキエンジニアリング |