プロフェッショナルカスタムマシン

プロの製作したカスタムマシンは、市販化されたパーツをただ取り付けるだけではない。取り付けたパーツの性能をフルに発揮できるようにセッティングしたり、細かいフィッティングにもこだわっていて、それがひいてはマシンとしての完成度の高さに結び付いているのだ。その実例をここでは紹介する。

カワサキ
GPZ900R by モトガレージイトウ

90年代中頃に隆盛を極めた、ニンジャレーサーの雄姿を再現

モトガレージイトウ GPZ900R

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90年代なかごろは、GPZ900Rで出場できるサンデーレースなども各地で開催されていた。当時はGPZ900R用のレースパーツも数多く販売されており、そのようなパーツを使って作られたのが、このマシンだ。今では手に入らないパーツも盛り込み、モトガレージイトウがある鈴鹿のコンストラクターの協力も得ながら、当時のニンジャレーサーを再現している。それでいて外観はノーマルのルックスを維持して落ち着いた雰囲気にとどめている。

注目したいのがフロントフォークで、倒立であるが純正流用ではない。実はこれはダブリュピー製で、ブラケットもセットになった倒立フロントフォークキットが車種専用品として、90年代はラインナップされていたのだ。このころはレース用のサスペンションではオーリンズとこのダブリュピーが人気で、車種専用のため簡単に装着が可能だったことで、このキットは人気だったのだ。また、リヤショックはCBR1100XX用を流用するが、取り付けのためのリンクはワンオフで製作している。なお、スイングアームはオオニシヒートマジック製のワンオフ品となっている。

エンジンはZRX1200Rに載せ替えられていて、エンジンハンガーマウントボルトなどはチタンボルトを使い、エンジンまわりの剛性をアップさせている。また、エンジン本体はモリワキエンジニアリングによりポート加工がほどこされ、吸排気の効率をアップさせている。キャブレターはヨシムラTMRで、ノジマエンジニアリングのパワーアップキットST-4と組み合わせることで、全域でパワーアップさせている。マフラーはエキゾーストパイプがベビーフェイスの中古品で、サイレンサーが原田消音器、中間パイプはノジマエンジニアリングでのワンオフ品となる。状態もメーカーもまったく異なる組み合わせなのだが、一度磨いて焼き色を入れることで、統一感を持たせている。

車体はシートレールで5センチアップしているが、全体的なフォルムは大きくくずさずに仕上げられている。これにゼッケンを付ければ、当時のニンジャレーサーさながらの姿となる。

モトガレージイトウ GPZ900R


カスタムパーツギャラリー

問い合わせモトガレージイトウ
住所三重県鈴鹿市庄野町858-3
電話番号059-379-4488
Webサイトhttp://mg-ito.com/



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