阪神大震災で部品メーカーにパーツ開発に力を注ぐ
中古バイクの車両販売が好調だった同社だが、1995年に起こった阪神淡路大震災で様相が一変する。この震災で関西方面の交通網は寸断され、車両販売が滞るようになってしまったのだ。
「当時は高速道路が使えず、アメリカから大阪や神戸の港に着いた車両やパーツの入ったコンテナを会社まで運んでもらうことができませんでした。さらに販売する車両を運ぶにも道路が渋滞して苦労するありさまです。当時は一般ユーザーへの販売が全国に広がり、社員も雇って車両販売に力を入れていましたが、社員の労力を考えると続けることはできませんでした。そこで、パーツ販売に力を入れるようになっていったのです」
当時はワイセコやアールズ、ワークスパフォーマンス、ダイナテックなどアメリカ発の製品を扱っていたが、自社でカスタムパーツの開発・生産にも乗り出し始める。
「当社がある淡路島には大手電機メーカーなどの下請け工場なども多く、質の高い製品作りを行なっている会社が多いのです。そういった工場などに依頼して、パーツをワンオフで製作してもらったりし始めたのです」
オリジナルパーツを開発
PMCオリジナルのカスタムパーツとして代表的な存在がSWORD(ソード)だ。最新鋭の3D-CAD技術により造形美にもこだわったアルミ鍛造ホイールで、素材に鍛造アルミを使うことで十分な剛性をたもちながら、路面からの衝撃を吸収する弾性を兼ね備えているのが特徴だ。空冷Zなどの旧車と相性のいい18インチホイールとなる
Heritage
Evolution
Martix
同社オリジナルパーツは近隣の協力工場や県外の工場にて生産されている。社内で行なう作業は、アルミ鍛造ホイールSWORD(ソード)への車種ごとのハブアタッチメントの取り付け加工や、日本正規代理店を務めるYSS社のサスペンションのメンテナンスなどである。また、同社のデモ車やユーザーのカスタム車の製作も行なっており、社内の充実した整備工場にて作業している。
さらに、最近の傾向は純正スタイルを大きくくずさないカスタムであることを踏まえ、近日リリース予定(※記事掲載時点)の新商品がこちらの丸鉄スイングアーム、レーシングタイプ。1970年代のレーサーを彷彿とさせるスタビライザーを装備するが、各構成部品の位置関係は純正と同じで、ボルトオンでの装着が可能だ。
また、PCMは空冷Z以外にもゼファーやZRXシリーズ用のカスタムパーツも豊富にラインナップしている。グレイジー、ドラフト、70s、ゼファクターのブランド名で展開している。また、ヘッドライトやウインカーなどの灯火類のほか、汎用パーツもハンドルまわりを中心に用意されており、ハイスロキットやマスターシリンダーキャップ、バーエンドもラインナップされている。