パーツメーカー

日本国内のみならず、世界各国に多数存在するカスタムパーツメーカー。各社はそれぞれの理念に基づき、多様な製品を日々開発している。当コーナーは、そんなパーツメーカーの思いや歴史、舞台裏などに迫る。

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ウィリーのもう一つの雄・ビレットパーツ

同社のパーツで、スイングアームと人気を二分しているのがビレットパーツだ。チェーン引きなどのスイングアーム用パーツの製作からスタートしたが、現在はステアリングブラケットやカバー類など、多くの製品をラインナップ。質感の高い仕上がりに魅せられる人は多い。そのビレットパーツを担当する保隆氏はこう語る。

「必要な強度や剛性を確保することは大前提ですが、とにかく軽く作ることを考えています。可能な限り肉厚は薄くしたいですね」

設計時には3Dモデルを製作し、三次元解析を行ない、どこの肉を抜けるかの検討もされるという。スイングアームの製造がハンドメイドの職人仕事であるのに対し、こちらは最新技術が駆使されている。この二面性もウィリーの独自性を表す一例だ。担当する作業と方向性は異なるが、富永父子の仕事に対するこだわりは並ならない。己の理想とするパーツを作り上げるため、一切の妥協を許さない。だからこそウィリーのパーツは魅力的なのだ。

そのウィリーのビレットパーツは、ひと目で見てウィリー製とわかる。その理由のひとつが素材だ。同社が主に使用しているAP2000は、非常に硬く加工に時間がかかるが、ポリッシュしたときの光沢がじつに魅力的。もちろん、見た目だけで選んだ素材ではない。素材自体の強度が高く粘りが強いので、転倒時にも破損に強い。構造でも強度を高める工夫がされている。

ステムキット

ウィリー ステムキット
人気パーツのステムキット。求めるハンドリング特性により、車体のディメンジョンは異なってくるため、マシンの仕様に合わせたオーダー製作にも対応する

ライディングステップ

ウィリー ライディングステップ
ステッププレートやペダルはもちろん、ヒールガードまで削り出しとするのがウィリー流ステップ。質感にすぐれ、剛性感の高さは他を圧倒する

ヘッドライトステー

ウィリー ヘッドライトステー
ドレスアップパーツであるヘッドライトステーにも、ウィリーらしい機能美が光る。通常は見えない内側にほどこされたドリリングが軽量化への執念を感じさせる

フローティングキット

ウィリー フローティングキット
リヤブレーキのフローティングキットは、社外ホイールに対応させるブレーキローターハブ、専用のローターとキャリパーサポート、トルクロッドをパッケージ

油圧クラッチシリンダー

ウィリー 油圧クラッチシリンダー
ノーマルよりピストン径の大きいシリンダーを採用することで、クラッチ操作に必要な力を軽減。豊富な対応モデルラインナップも魅力の人気パーツ

スプロケットカバー

ウィリー スプロケットカバー
これは最新作である、ゼファー750用のスプロケットカバー。総削り出しで、重厚感にあふれるルックスだが、実際に手に取ってみると非常に軽量。なめらかな三次元曲線を描くフォルムが美しい

カバー

ウィリー カバー
装着率の高いパーツとして知られる、総削り出し製のカバー類。ローコストでマシンの質感を大きく引き上げる。素材は強度にすぐれるAP2000なので、転倒時の自走帰還率も高めてくれるのだ

クラッチカバー

ウィリー クラッチカバー
スペシャル感の演出に最適なクラッチカバー。対応車種は豊富だが、写真のGPZ900R系エンジン用は面積が大きいため効果大。オーナーにとってはあこがれのパーツといえる

シリンダーヘッドカバー

ウィリー シリンダーヘッドカバー
ウィリー製ビレットパーツの、ひとつの到達点ともいえるのが総削り出しで作られたシリンダーヘッドカバー。装着するだけでエンジンの表情を大きく変える。じつは非常に軽量

フォークボトム

ウィリー フォークボトム
オーリンズ製フロントフォーク用の、総削り出し製のボトムエンド。アクスルクランプの肉厚を厚めにとり剛性アップ。フロントの安定感向上を体感できるパーツだ

削りの進化

コンピュータ制御のNCフライスは、日進月歩の進化を遂げている。ウィリーでは最新技術をフォローし、製品作りに役立てている。滑らかな三次元曲面、剛性を向上させる細かなリブの加工などは、制御ソフトを使いこなしてこそ実現するものだ。削り跡をあえて残し、デザインに活かしているところは、ウィリー独自のセンスだといえる。

ウィリー 削りの進化
ウィリー 削りの進化
ウィリー 削りの進化
取材協力ウィリー
TEL0985-27-7785
URLhttps://wheelie.jp


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