モノ作りへの情熱が既成概念を覆す
ノジマエンジニアリングには現在7名のスタッフが在籍している。決して多いとはいえない数だが、人員を増やしたり、生産体制を大きく変えたりする予定はない。開発や生産の部署も分離せず、それぞれのスタッフがトータルで製品をフォローする体制を取っている。
「いいものを、より作りやすくするためには、開発と生産を分けてしまうのではなく、一体とするべきだと思っています。そのため会社の規模も現状を維持し、そのうえでさらなる高品質を目指しています」
会社が立ち上がった80年代と比べるとバイク人口は減少しており、アフターマーケットの状況も大きく変化している。そんななか、同社はマフラーメーカーという既成概念にとらわれない新たなアプローチでユーザーに接している。それが、同社が行なっているリペアサービスである。
「バイク人口が減少するなか、よりきめ細やかなサービスを行なうことで、お客さまに長くバイクに親しんでもらえれば、と考えております。たとえば当社のリペアサービスですが、これは現行ラインナップに限らず、すでにラインナップから外れたマフラーも対象としています。また、弊社の製品はもちろん他社の製品でも、手持ちの材料で直せる内容であれば、可能な限りリペアに応じています。
我々は、今日まで多くのNJシリーズを世に送り出してきましたが、あのようなオリジナリティの高い車体を今後も提案していければと考えております。またそのお客さまだけのバイクをプロデュースするなど、よりお客さまに沿ったサービスを行なっていきたいですね」
高品質と高性能を両立させる自社設備
鈴鹿サーキットに近い位置に工場を構えるノジマエンジニアリング。同社のスタッフは、この場所で日々高性能、高品質の製品を生み出し、ユーザーへと届けている。16年より代表取締役に就任した増澤氏も、社長としての業務をこなしつつ、今も製造現場で作業を行なっており、取材に訪れた日にも製品の溶接作業を行なっていた。創業者の野島氏は相談役に就任し、現在はスペシャルオーダーの車両を製作するほか、現場の職人らにアドバイスをすることもある。

ノジマエンジニアリングの数々のパーツ展開
主力商品のマフラーのほかに、ノジマエンジニアリングは数々のバイク用パーツを展開している。同社製マフラーに変更したバイクに、よりマッチする製品を標ぼうし、外装パーツを中心にスタイリッシュな製品をラインナップしている。人気が高いラジエターコアガードは、その中央に“Nojima”のロゴが大きくあしらわれ、その効果もさることながら、カスタム感をより高めてくれる。ほかにスクリーンの対応車種も豊富に用意するなど、ユーザーのカスタムを多方向からサポートしている。
ビキニカウル&スクリーン
CUSTOM MACHINE
KAWASAKI ZRX1200R鈴鹿8耐レプリカ
「究極のカスタムが欲しい」というオーダーを受けて、野島英俊氏が一から製作したのがこのZRX1200Rカスタムだ。ノジマエンジニアリングがかつて鈴鹿8耐で走らせたNJ-1レーサーをモチーフに製作しつつ、最新スペックのパーツを各部に惜しみなく投入した夢の一台である。リヤのモノショック化はもちろん、鈴鹿8耐を走ったマシンのディメンションを再現するべく、フレームも大幅に加工。エンジン搭載位置も変更が加えられている。

※本記事はカスタムピープル181号(2018年7月号)掲載記事を再編集したものとなります。とくに断りがない限り、時系列は記事製作当時のものとなります