灯火系カスタムの疑問
- ウインカーの交換に制限ってあるの?
- 実はいろんな法律の制限があります
この記事の目次
周囲に動く方向を示して安全を確保するためにも法順守は絶対だ
最近はウインカー自体もずいぶんとスマートになり、交換する必然性を感じない人も多いのではないだろうか。とはいえバイクの表情を変えることができるパーツでもあり、カスタムの初歩といえば今なおウインカー交換だろう。本誌掲載のカスタムマシンでも交換しないケースはCB-F系などウインカーが意匠化されたごく一部だけだ。
そのウインカーは交換時に制限が存在する。まず発光色がオレンジであること。そしてウインカーがヘッドライトやテールランプより外に存在し、ウインカー同士が前で250mm以上、後ろで150mm離れていることが求められる。好き勝手な位置にしたり、色を青や赤、緑などに変更してはダメなのだ。
色に関しては“発光色がオレンジであること”なので、レンズがクリアでも問題ない。また位置関係にしても埋め込み式に変更しても大丈夫だ。もちろん方向指示器として機能しなければいけないので、視認性を強く意識しておきたい。ウインカーは周囲に進行方向を知らせるためのモノであり、周囲に認識されなければ危険を招くことになりかねないからだ。
今やあらゆる発光体に使用されていると言っていいLEDだが、ウインカーとして採用する際には注意点がある。LEDはハロゲンに比べて消費電力が微量でも発光できるのがウリだが、そのまま取り付ければ使用電力量が低いのでウインカーリレーがバルブ切れと診断し、ハイフラ(ハイフラッシャー)現象を起こす。そのためLEDウインカーにはLED対応の専用リレーが必要になる。ウインカーは法律で毎分60回以上・120回以下の一定の周期で点滅する必要があると定められているので、ハイフラ状態は整備不良、あるいは違法改造と見なされかねないので注意だ。
シーケンシャルウインカーは違法なのか?
2014年10月から法規上も認可されていて、現在、四輪車の世界では純正採用されるケースが増えてきたシーケンシャルウインカー。車両中央側から外側に向かって光が流れるように点滅する方式で、各社外メーカーからもバイク用ウインカーとしてリリースされている。これも誤解がたまにあるが、採用自体はまったく問題ないものの、点滅によって違法と診断されることがある。
ウインカーは点滅しなければいけないと定められている。つまり、シーケンシャル方式で光の光点がウインカー内をつねにループし続ける状態だと、点滅を繰り返していないと判断されることがあり得るのだ。四輪の純正シーケンシャルウインカーは光が端に辿り着いた後に全消灯するため点滅と見なされているとのこと。何をもって点滅とするかの判断が分かれるケースもあるとのことなので、購入時は販売メーカーとよく相談することをお勧めしたい。
デイライトは今なおバイクには不適合
※2020年9月25日改定
EUでは2011年から二輪・四輪への装着が義務化され、日本でも2016年10月以降に1,440カンデラ以下の光度を持つデイライトの装着が四輪では認可されているデイタイムランニングライト。しかし、バイクには今なお認可されていない。2011年以降に発売された欧州仕様のバイクも、日本で販売する際には標準装備が義務付けられているデイライトを減光させ、ポジションランプか、タクシーがフロントグリルなどに採用する青いLED灯と同じく“そのほかの灯火類”と見なされるようにしているのだ。ウインカーにデイライト機能を持たせた製品も市販化されているが、これは厳密にはデイライトではなく“そのほかの灯火類”という扱いとなる。
(2020年11月追記)
2020年9月25日から規制が改定され、デイタイムランニングライト(昼間走行灯)の取り付けが可能となった。詳細に関しては本サイト過去記事を参照いただきたい。
点灯パターンは変更してもいいの?
四輪などはドアロック/解除のため遠隔コントローラーを操作するとウインカーが点滅するような、いわゆるウェルカムモードが純正採用されているケースもあるが、それに類似したウインカー点灯を行なえるコントローラーも市販されている。バイクでも採用例を見たことがあるが、この装着自体には問題はない。またウインカーのLED発光色やシーケンシャル方式のパターンをコントローラーにより任意に変更すること自体も違法ではない。ただし、ウインカーとして機能させる際にはオレンジの発光色で規定の回数を点滅させることが必須なので、ウインカー操作をした瞬間からウインカーとしての規定に従って機能させられなければならない。なお、仮にスイッチ一つで切り替われるとしても、走行時に何らかの光が一見点滅するような動きをしているとウインカーと誤認されかねず、非常に危険でもある。くれぐれもご注意を。