カスタムの疑問

自分好みの乗り味やスタイルに愛機を構築していくのがカスタムだ。自由な発想のもと、理想形に近付けていくことは、バイクライフにおける楽しみの一つでもある。しかし、いくら自由な発想といっても、押さえておかなければいけないポイントは多数ある。公道を走る以上、安全面や法規面でクリアしなければならない要素は多く、また正常に各部を機能させるためのノウハウも必要になるのだ。そこで多くのライダーが抱いているであろうカスタムに対する疑問を抽出し、その解答を探っていく。

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吸気系カスタムの疑問
フューエルインジェクションではキャブレターのように特性を変えることはできない?
フルコンやサブコンの活用で変更できます

フューエルインジェクションではキャブレターのように特性を変えることはできない?

電子制御された吸気側はどうすれば手を入れられる?

2000年代に入り、各メーカーのフラッグシップモデルを中心にフューエルインジェクション化が進み、今や排気ガス規制などの絡みもあり、大排気量車だけでなく小排気量車にも普及。すでにバイクにとって電子制御化された吸気は一般的なシステムになっている。

パワーアップをねらうにあたって、吸気系に手を加えることはメジャーな手法でもある。これまでのキャブレター車の場合、レーシングキャブレターに変更するユーザーは多く、本誌で紹介する車両も高い割合で変更されている。ところがフューエルインジェクション車の場合、吸気系に手を加えるユーザーは少ないのが実情だ。フューエルインジェクションは電子制御化されているだけに、ブラックボックスのようなイメージを抱いている人も少なくないためだろう。

フューエルインジェクション
フューエルインジェクション
アナログなキャブレターと比べ、さまざまな部分から情報を集め、コンピュータで制御されるフューエルインジェクションは、とっつきにくいイメージを持つだろう。しかし、絶対にアマチュアが手が加えられない、というモノではないのだ

社外のサブコンやフルコンで特性を変更することはできる!

フューエルインジェクションは、回転数やアクセル開度をはじめ、さまざまなデータをモニタリングし、そのデータをもとにECUに入っているマップに基づき、適切な燃料を導き出して、混合気をエンジンに送り込む。このマップを外部から手を加えることで、特性を変えることができるのだ。

では、このマップに手を入れる方法とは何か。その方法は2つある。一つはマップ自体をまったくの別モノに変更するためECUそのものを変更してしまうこと。二つ目はECUとインジェクター・イグニッションコイルの間に、ECUから送り出される信号を変える装置を置くことだ。

前者はフルコンピュータ(フルコン)、後者はサブコンピュータ(サブコン)と呼ばれる。どちらも一長一短はあるが、これらのアイテムを使うことで燃料の吐出量を変え、より好みの出力特性にすることは可能なのだ。

社外コンピュータに変更するのではなく、純正ECU本体を書き換える手法も昨今は聞くようになったが、本誌は推奨外となる。

いずれにしてもキャブレター同様にセッティングには一定以上のノウハウが必要だし、エンジンを容易に壊せるようになるので取り扱いには注意いただきたい。

フルコンピュータ
フルコンピュータ
フルコンピュータへの変更はサブコンピュータと比べてカプラーオンで装着できるわけではないし、車種専用品とも限らないので、取り付けと運用にはノウハウが必要だ。しかしバイク用も普及が進んだことで低価格化が進み、取り付け難易度も低下傾向
サブコンピュータ
サブコンピュータ
サブコンピュータ
サブコンピュータはパソコンの画面上でセッティングすることができる。キャブレターのようにセッティングのたびにエンジンから取り外さなくてすむため、気軽にセッティングを変更することができるのも魅力だ

インジェクター
場合によってはインジェクターを吐出量の多いモノにしたり、燃料ポンプを大型化するという方法もある。ただ、そこまでやるケースはまだ少ない


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