カスタムの疑問

自分好みの乗り味やスタイルに愛機を構築していくのがカスタムだ。自由な発想のもと、理想形に近付けていくことは、バイクライフにおける楽しみの一つでもある。しかし、いくら自由な発想といっても、押さえておかなければいけないポイントは多数ある。公道を走る以上、安全面や法規面でクリアしなければならない要素は多く、また正常に各部を機能させるためのノウハウも必要になるのだ。そこで多くのライダーが抱いているであろうカスタムに対する疑問を抽出し、その解答を探っていく。

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マフラーの疑問
社外マフラーへの交換って適法なの?
交換自体は合法です

マフラー交換Q&A

マフラーの交換自体は適法。ただし無制約ではない!

カスタムシーンの黎明期、社外マフラーはレース専用パーツとして位置付けられていた。そのため公道での使用は認められておらず、社外マフラーに交換している車両は車検時にノーマルに戻したり、警察の取り締まりの対象になるなどのグレーな存在だった時代があったのも事実。その後、バイクカスタムは世間に認知され、一定の音量以下であれば公道でも使うことができるようになった。なお『交換してもよい』とされるにも条件があり、『車体の中心線に対して左向きもしくは右向きに排気口が30度を越えてはならない』などの制限もあるが、基本的に規制音量以下であれば問題ない、という認識が一般的になった。

ところがマフラー交換を比較的自由に行なえるようになったものの、一部のライダーが規制以上の音量を発するマフラーを使用。結果として段階的に音量規制が厳しくなったのだ。また、最近では排ガス規制の影響もあり、この排ガス規制をクリアしていることも公道で使える=車検に適合する条件になった。このうち、とくに排気音量の規制に関しては非常に深刻な問題となり、一時はマフラーを交換することができなくなるという話も持ち上がったほどだ。

そのときは各マフラーメーカーの尽力で、騒音規制が強化されたものの、社外マフラーを公道で楽しめなくなるという事態は避けることができた。この一連の動きによって“公道を走るバイクは社外マフラーに交換することができない”という認識を持つライダーがいるようだが、それは誤りである。

ちなみにマフラーの規制は車両の年式によって基準が異なる。高年式になればなるほど音量規制が厳しくなり、排気ガス規制にも抵触するようになる。各マフラーメーカーの多くは、この規制という制限をクリアしつつ、重量面や出力特性の向上を追求して開発。そして公的機関で規制範囲を満たしているかの試験を受け、それに合格したマフラーは車検対応品として使用することができるのだ。

スズキ 隼
スズキ 隼 by アールズギア

社外マフラーに交換する場合、自分の車両の年式をしっかりと把握することが必要。その年式の規制をクリアしているマフラーを選びさえすれば、マフラー交換を楽しむことは合法的に可能なのである。

JMCA認定プレート
全国二輪車用品連合会(JMCA)のプレート
全国二輪車用品連合会(JMCA)のプレートが付いているモノならば、車検適合の一つの目安になる。ただし、年式によってプレートの色が異なるので注意したい
触媒
マフラー交換 触媒
排気ガス規制を受ける年式の車両には触媒の存在が不可欠。この触媒も入っていればいいというわけではなく、しっかりと試験をクリアするモノでなければならない

サイレンサー内部に手を加えるのはNG

マフラー交換 サイレンサー内部に手を加えるのはNG
消音装置であるサイレンサー内部に手を加えるのはNG。爆音=規制強化の流れを生みかねない。今後も多くのライダーがカスタムを楽しむうえで一人一人が考慮しておきたい点だ


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