冷却効果を高めるオイルクーラーは存在感のあるパーツなので、カスタムシーンで人気だ。交換作業は純正と入れ替えるだけなので難易度そのものは高くないものの、注意したいポイントは多い。
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オイルクーラー交換は簡単だが、オイル漏れには細心の注意を払おう
今回はオリジナルのオイルクーラーをリリースするムーンフィールド・月野 拓代表に、オイルクーラー交換時の注意点を聞いてみた。すると、まっ先にマフラーを外すことを提案する月野代表。作業そのものは難しくないものの、狭い場所での作業を余儀なくされると作業効率が下がる。それを嫌ってのことだ。
「作業時はできるだけ周囲に何もない状態を作り出すのがキモですね。これは作業全般にいえることですが、一時的な面倒を嫌って、ある作業を省略したところ、別の面倒を招くことも多いですから。
あとはトルク管理を徹底してください。オイルクーラーはほとんどがアルミでできていて、1.2kgf・m程度で締結するパートが大半です。力任せに締めるとネジ切ったり、損傷させる原因になります。作業に慣れていない人はトルクレンチでの作業は必須ともいえます」
また、装着後には必ずオイル漏れがないかをチェックすること。ただ装着すれば終わりではないのだ。
オイルクーラーの交換前に用意するモノ
今回はマフラーを取り外すため、差し込み角1/4インチの12mmレンチを用いた。それ以外にも、ステーを介して車体と締結するための10-12mmレンチ、オイル通路用アダプター装着用の6・8mmヘックスレンチ、フィッティング締結用の17mm片口レンチが必須工具だ。なお後述する止水テープもあると便利。
ノーマルのオイルクーラーを外そう
今回はオイルクーラーを標準装備するゼファー750を題材としたが、ゼファー系に限らずマフラーなど周辺パーツを取り外しておくと作業効率が高まる。なお、着脱そのものは非常に簡単。以下のポイントだけ押さえよう。
社外品のオイルクーラーを装着する
取り付けそのものはただ純正と入れ替えるだけなので簡単といえる部類の作業だ。ただし、取り付けが簡単とはいえオイルが循環するパートなので、漏れやにじみは厳禁。この2点が発生しないよう着実な作業を心がけよう。
オイル塗布でなじませる
もともとアダプター部分にOリングを用いてオイル漏れを防止しているが、このOリングにオイルを少量塗布し、なじませておくと抑止効果が高まると月野代表は語る。また、ねじ込み部も同じくオイルを塗布しておくと同様の効果が見込めるとのこと。
ホース類は車体側と干渉しない位置にする
オイルクーラーの交換時、本体と車体側が干渉するケースはほとんどないが、ホースは干渉しやすい。そのため、取りまわしには十分注意したい。とりわけマフラーと密着すると熱が下がるどころか高まり、エンジンを壊しかねない。
オイルクーラー装着後のセットアップ
オイルクーラーを追加するケースとは異なり、交換であれば装着後に位置関係を調整するといった作業もほとんど不要だ。なお、エンジンオイルを入れ直す必要があるため、オイル管理に注意したい。大容量化=オイル量も増加と考え、入れすぎてオイル上がりを誘発するケースもあるからだ。